PJ Report 2005/3

実践的なレスキューダイバーコース

実践的なレスキューダイバーコース

 すでにご存じのように、AEDについて取り扱いの講習を受けた者であれば、酸素供給と同様に緊急時に一般市民が使用してもよいと昨年厚生労働省が発表しました。この両者が全国で普及すれば、ダイバーのみならず一般の救急現場でも欧米同様に相当な救命率の向上が得られることでしょう。この度、レスキュダイバーコースがリニューアルしてリリースされました。レスキューダイバーコースへのエントリー前条件として、お客様はAEDの知識を含めたEFRをせっかく受講されているのですから、レスキューダイバーコースを総合的な練習の場としたコース作りをご提案したいと思います。今回は実際に私が行っている講習内容をご紹介しますが、皆様のコース作りのご参考になればと思います。レスキューダイバーコースの海洋実習の最後で総合シナリオがありますが、事故者を陸上に引き上げた後、一般的には救急隊が到着するまで通常のCPRを行うことで終了となります。しかし、私は事故者を岸へ引き上げて適切な場所へ移動させた後に、事故者をAEDが使用できるCPR練習用のマネキン人形に置き換えます。救急車の到着までに、人形を相手に本物の酸素供給キットとデモ用AEDを用いた総合的なCPRを行って頂くのです。実際の講習の場では、講習生のお客様が今日この場所にファンダイビングに来たという設定で、潜水計画の一環として万一の事故が発生した場合に誰がどのような役割を行うかを、AEDと酸素を持参しているという状況で事前に話し合っておいてもらいます。そして事故が発生してからの流れの中で、AEDと酸素供給を用いて計画通りにレスキューを行って頂きます。評価するポイントは、事前の計画としてそのエリアの緊急アシストプランを入手し、そのローカリティーにあわせたレスキュー計画であったかどうか、そして事故発生時に周囲の方にご協力をお願いするなどして、効率がよいレスキューが実行されたかどうかを評価します。それぞれ違う講習で学んできた知識をレスキューダイバーコースで全てリンクさせて実行して頂くことによって、お客様にとって実践的な価値ある講習となるでしょう。しかし、たとえ完璧に計画通りのレスキューが行えなかったとしても、絶対にマイナスのコメントをしないようにしましょう。事実そうなのですが、行動できたことを高く評価すべきです。マイナスの評価をすると、万一事故に遭遇した場合に行動ができなくなってしまう上、医学的には必ずしも厳密に完璧である必要性はないからです。行動できること自身が大切なのです。

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