PJ Report 2004/3

飛行機搭乗当日のダイビング

「飛行機搭乗当日のダイビング」

潜水後の飛行機搭乗までの待機時間は、これまでにDANの研究によって推奨事項が変更されるごとに、直ちにPADIの推奨事項にも反映されてきました。現在の推奨は、「単一潜水では最低12時間、反復潜水または複数日にわたる潜水では最低18時間待機してから飛行機に搭乗する」です。これは客室内高度600mから2400mについて適応されます。ただし、これによって絶対に減圧症にならないと保証するものではないとしています。一部の航空会社では客室内高度を公表していますが、実際に高度計で測定してみると発表高度よりも遙かに高い高度であることが判明しております。たとえば航空会社発表の客室内高度が500mであっても、実測は600mよりもずっと高い高度なのです。ですから公表高度が500mであっても、減圧症に陥ってしまうリスクが高いというわけです。これは省エネによるものとの見方があります。航空会社によると、公表高度が500mだからといって、飛行機搭乗当日の潜水を行っても減圧症にならないとは発表していないといっております。ところが、日本の一部の地域ではこの公表客室内高度500mを信用するばかりでなく、あたかも航空会社が減圧症のリスクはないと発表しているかのごとく勘違いして、搭乗数時間前までお客様を潜水させているエリアがいくつか実在しているのです。その結果、減圧症に陥っている患者さんが後を絶ちません。お客様が減圧症に陥った場合、利用したダイビングショップへ報告せずに安全意識が高い他のお店へ鞍替えしてしまうケースをよく見かけます。ですから減圧症発症の事実をお店側は知りません。また、お客様がダイビングショップに報告してくださった場合でも、現地ガイドは飛行機搭乗のせいではなく、潜水内容や体調に問題があったのだと勘違いをしているのです。この様な事が行われているエリアは残念ながら日本にはまだ数カ所あるのですが、最近では世界的に見て他の国での事例を知りません。また、自分のお店だけがそれをやめると、お客様が他のお店に流れてしまうと危惧しているようですが、お客様が減る心配よりもお客様が減圧症に陥る心配をするべきであり、一つ一つのダイビングショップが自覚を持ってやめてゆけば、だんだんそのエリアの常識となることでしょう。日本のダイビング業界が世界の恥さらしにならぬ様、メンバーの皆さん一人一人が自覚を持ちましょう。

Copyright@1999-2007,Miho Clinic All Right Reserved
pj062pj054