PJ Report 2001/3
リスクマネージメントからみた病歴診断書記入時の注意点

リスクマネージメントからみた病歴診断書記入時の注意点。

最近、お客様に病歴診断書を事前に提出してもらっているにもかかわらず、明らかに未然に防ぐ事ができた、健康状態が原因である潜水時のトラブルが散見されます。例えば、小児期だけの喘息で今は起きていないとお客様がいう、あるいは昔の一度だけの中耳炎だから、といわれた場合、インストラクターの自己判断で「Yes」を「No」に記入しても良いように誘導し、その結果、潜水時に喘息発作を起こしたり、耳抜き不良でピンホールを起こしてしまう事例があるようです。単に基準で決まっているから仕方なく書いてもらっているといった程度の事務的な考えの方が、残念ながら皆さんの中には希にいらっしゃるようです。お客様に病歴診断書を書いていただく意義というものを、今一度思い出してください。インストラクターがお客様の講習やツアー引率を行う場合、事前にお客様の健康状態を知ることができる重要な情報源であり、また、「Yes」があった場合には医師のサインをもらうことによって、万一健康上の問題が原因である事故が起きた場合には、潜水を許可した医師の側にも責任が生じてくるわけです。これによってインストラクター個人の責任が分散、軽減される事になるのです。もちろん、お客様がご自分の病気を隠して記入された場合には未然にトラブルを防ぐことはできませんが、この場合にはお客様の自己責任が生じるために、やはりインストラクターの責任は軽減されるわけです。リスクマネージメントの観点から、病歴診断書の正確な記入指導と医師署名の手続きは自己防衛のために必要不可欠なことなのです。最後に、医師が病歴診断書にサインするという意味は、お客様が潜水をしても絶対に事故を起こすことがない健康状態であるという事を保証するものではなく、これからダイビングをするにあたり、明らかに問題となりうる病気がないかをチェックし、許可するものです。こういった観点からは、皆さんはたとえ医師が病歴診断書にサインをしたからといって、お客様の健康に対する注意義務が何ら軽減されることはないことを肝に命じてください。

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