Diving World 1999/10
めまいが起こる理由

1、 めまいが起こる理由

ダイビング中のめまいには、回転性めまい(ヴァーティゴ)と非回転性のめまいがあります。回転性めまいには、冷たい水が外耳道に、またはピンホールの時には中耳腔にまで水が入り、平衡感覚を司る内耳に温度刺激が与えられるために起きる温度性眼振、内耳減圧症によって耳鳴りや難聴とともに起きるもの、耳抜き不良が原因で内耳が破裂しリンパ液が漏れ出すために起きる激しいめまい、難聴、耳鳴りが伴う外リンパ瘻(内耳窓破裂)、そして浮上中に耳のリバースブロックによって中耳腔の陽圧により内耳に圧力がかかるために起きるめまいがあります。非回転性めまいには、ドライスーツやフードによって首が強くしめつけられて起きる頸動脈洞反射があります。これは脈拍数が減って脳への血流が減り、脳の血圧が下がってしまうからふらつくのです。その他に深い潜水をした場合、空気潜水の窒素酔い、ナイトロックスの酸素中毒などもめまいを起こすことがあります。


2、 めまいをふせぐ方法

めまいはパニックを引き起こしたり、上下が分からず浮上できないなどで事故につながることがあるため予防が大切です。それには、それぞれの原因を除去するしかありません。外耳道に水が入る温度性眼振は冬場の低水温時に多いので、フードをかぶって外耳道に水が入りにくくする。ピンホールと外リンパ瘻は耳抜き不良が原因ですから、アレルギー性鼻炎や蓄膿症などの慢性的な鼻炎のコントロールと、耳抜きテクニックの練習が必要です。リバースブロックも逆向きの耳抜き不良なので、やはり慢性的鼻炎のコントロールが必要。減圧症は、急浮上、深く長い潜水およびダイビング後の高所移動を避け、ダイビングコンピューターの過信をやめ、余裕を持った潜水計画を実行することが大切です。頸動脈洞反射は、首がきつすぎるフードやドライスーツを避ける事で予防可能です。ちなみに温度性眼振のめまいは約3分位なので、バディーや岩にしがみついて治るのを待てば事故につながりません。


3、 めまいの自己診断

 めまいの自己診断ができれば、その後の予防、医師への受診の必要性がわかり大変役立ちます。温度性眼振は低水温の時、潜水中に突然起き、3分間からせいぜい5分間ぐらいでおさまります。リバースブロックは浮上中に起き、長く続いてもエキジット後数十分ぐらいで治ります。内耳減圧症や外リンパ瘻は何日も続きなかなか治らない重症のめまい、難聴、耳鳴りがあり、前者は普通、潜水直後から3時間ぐらいのうちに発症し、深く長い潜水などの一般的な減圧症のリスクがあればこれを疑います。後者は多くの場合耳抜き不良の自覚があって、内耳が破れるときにポンというポップ音を自覚することがあります。潜降直後が多いようです。頸動脈洞反射はエントリー前の地上でも起きることがよくあり、そのときにはフードを脱いだりドライスーツの首元を広げるとたちまち治ることから判別できます。この場合は作り直した方が得策です。そして窒素酔いや酸素中毒は、起きたときに深度を浅くすることによってすぐに回復します。内耳減圧症、外リンパ瘻はもちろんすぐに潜水専門医にかかるべきです。耳抜き不良やリバースブロックが原因のものは、何度も起きるのでしたら慢性鼻炎の治療をおすすめします。

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