Diving World 1999/5
足がつるのを防ぎたい、その理由

1. 足がつるのを防ぎたい、その理由。

 筋肉の痙攣は一般的に、引きつり、こむら返りと呼ばれます。これは筋肉の繊維の束が痙攣発作を起こすためで、痛みを伴います。ダイビングではよく起こりますがなぜでしょうか。それは、普段使わない腱や筋肉を酷使することによる筋肉疲労が原因です。ダイビングではもちろんフィンワークがつきものですので、ふくらはぎ、太股、足の裏の筋肉をよく使うため、この部位の痙攣発作がもっとも多いのです。ひどいときには動けなくなり、潮に流されて危険な状況に陥ったケースもありました。では、どうすれば予防できるでしょうか。まず、その人の脚力にあった堅さや大きさのフィンを選ぶことです。ファッション性を重視しすぎ、デザインや見栄でフィンを決めてはなりません。インストラクターにアドバイスを求めるのが一番無難です。そして、潜水前には十分な準備運動やストレッチをおこない、筋肉をほぐしてからエントリーしましょう。冷水ではつりやすいので、特に念を入れてください。さらに、普段使わない足の筋肉を鍛えてしまうのも良い方法です。フィンをはいてプールの水面を泳いだり、ヒンズースワットも効果的です。ふくらはぎや足の裏だけでしたら、立ってかかとを上げる、下げるの繰り返しを毎日5分間続けるだけでもよいのです。万一、足がつってしまったときにはフィン先をつかんで足を延ばすことによって治りますので、このセルフレスキューの方法も習得しておきましょう。

2. 波よい、船酔いの理由、その予防法。

 人間の平衡感覚をつかさどる三半規管は内耳の一部で、この中にはリンパ液が満たされています。頭が揺れるとリンパ液も揺れ、これが電気信号となって脳に伝わります。脳はその電気刺激を受けて、私たちは揺れていると感じるのです。継続的にこの電気信号を受け続けると、脳からの反射経路を通じて自律神経などを刺激し、吐いたり気持ち悪くなったりするのです。予防法としてはボートの場合、揺れが少なくて排気ガスの届きにくい船の中央に乗り、横になるとなおよいです。下を向いたり作業をしないで遠くを見るか、目をつぶっていることです。船が出航をする前か、停船してから用意をしましょう。しかし、それでも酔ってしまう人や、波酔いの起きる人は訓練によってかなり解決できます。もともと酔いやすい人でも、繰り返し揺れ刺激を受けていると、脳が疲れてきて内耳からの電気刺激を受け付けなくなる機構(中枢代償といいます)ができあがり、酔わなくなります。船乗りや漁師は生まれつき揺れに強い人ばかりではありません。この中枢代償が完成したので酔わないのです。酔っても船に乗り続けたり、ブランコを毎日5分間、下を向いて乗ったりしていると中枢代償ができてきます。また、酔い止め薬も有効ですが、眠気がでる人は浅い深度で窒素酔いを起こすリスクがあるので、眠気がでないことを地上で一度確認してからダイビングに使いましょう。体調管理も大切です。前日のお酒や寝不足、風邪はもってのほかです。

3. 海水で肌がぴりぴり、海水が肌に与える影響、肌の保護法。

 健康な肌の人は、海水でぴりぴりすることはないのですが、アトピー性皮膚炎の掻き傷があると海水で刺激を受けます。案外大人でもかなりの人がアトピー性皮膚炎を持っています。アトピーはセラミドという皮膚のバリアーが少なく、乾燥肌になることが原因ですので、入浴後には毎日保湿剤を塗ることがかゆみを予防し、普段から掻き傷を作らないことになり、海水で刺激を受けなくなります。また、濡れた顔を手で拭う習慣のある人もこすれて傷ができ、顔が腫れてしまうことがあります。その他に、開けたてのピアスの海水かぶれも多いです。また、海水成分そのものや、ウエットスーツの素材にアレルギーがある人も希にいます。その他の海に関わる皮膚疾患として、光線過敏症と日焼けがあります。光線過敏症は30分以上日に当たると露出部に発疹ができるのですが、普段日に当たらない脇の下などは重傷化しますので特に注意が必要です。日焼けは赤みだけ(1度熱傷)の場合、40分以上水で冷やすと1週間で治りますが、水疱を作るほど(2度熱傷)になると治るのに3〜6週間必要です。もちろん水疱になったら、感染するのでダイビングは中止です。予防として日焼け止め化粧品を使用すべきです。SPF1とは20分間の日焼け止め効果を意味しますが、番号が大きくなると今度はかぶれやすくなるので、腕などで試してからが良いでしょう。現在SPF86までありますが、SPF15以上(5時間有効)が望ましいです。

Dr.三保の驤齡医療の潜水医学への応用アイデア<耳管機能検査>

本来、耳管機能検査は滲出性中耳炎や慢性中耳炎などの機能検査ですが、これをダイバーに応用する事により、耳抜き不良の状態、程度の判定のみならず、テクニック的問題による耳抜き不良も判定でき、的確な治療方針が打ち出せます。
耳抜き不良は耳管狭窄症のみならず、耳管解放症もかなりいるのです。

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