Diving World 1999/2
エアーを消費しにくい秘訣・技を教えてください。

Q:エアーを消費しにくい秘訣・技を教えてください。

A:よく、「エアーがいくつ残った」と自慢する人がいますが、それはむだな動きがなく、高いレベルのスキルであった場合のみ感心できることです。エアーをけちってスキップ呼吸をした結果であれば、考えを改めるべきです。しかし、インストラクターの目から見ると、自慢する人ほど、後者の場合が多いようです。上級者はそんなことを気にしていません。上級者だって、体格の大きな男性は、小柄な女性よりエアーを早く消費しがちですが、それでよいのです。ダイビングにおいて、エアーは吸いたいだけ吸う事は基本です。頭痛などの体調不良の元ですから。
 しかし、不必要なエアー消費は、防いだ方が賢明でしょう。エアーを消費しにくい秘訣は、万全な体調、コンディションから始まります。かぜや気管支炎で痰が多いとき、肺での換気効率が落ちますし、潜水直前のタバコは、血液中の酸素を運ぶヘモグロビンが一酸化炭素と結合し、酸素運搬能力が低下する。また、不安やストレスは緊張につながり、必要以上の換気をしてしまいます。初めてのポイント、不慣れな器材、海洋状況の不安など、すべて地元のサービスや担当のインストラクターに相談し、心配事を取り除いてください。むしろ、ストレス解消にダイビングを利用してください。
 次に、エアーを消費するのは、運動量の問題です。ダイビング中の不必要な動き、運動は不必要なエアー消費につながります。初心者ほどエアーの消費が早いのは、緊張と言うこともありますが、むだな運動が多いのが一番の理由です。例えば中性浮力がとれないと、フィンワークで浮こうとするし、体が進行方向に対して流線形にならず、水の抵抗が大きくなり、キック回数が増えてしまう。
また、深いところより浅い方がエアーの消費が少ないと考えるのが普通ですね。しかし、水底が深くないところで流れがあるときに、中層より水底を泳ぐ方が流れが弱いので、そのほうが運動量を減らせる。こういった知識により、エアー消費を減らすこともできます。ランクアップやスペシャリティコースが、どの指導団体でも推奨されている理由の一つには、こういったスキルアップや、知識の修得をすることにより、よりエアーを消費しない快適なダイビングができるようになるからです。皆さんもランクアップを目指してはどうでしょうか。

Q:窒素酔いのときの対処方はありますか?

A:窒素酔いとは、水深約30mより深いところまで潜ると、水圧の影響により血液中に溶け込んだ窒素が脳に働き、麻酔様の作用をするため、気持ち良くなったり、おかしな行動をとったりすることです。麻酔用の笑気ガス(NO 2 )と同じ理屈だと言われています。窒素酔いを起こすと理性を失い、危険な行動をとって、大事故につながってしまった例もあります。私自身も、同行したダイバーが窒素酔いを起こして思わぬ行動をとり、危うく事故を回避したことが2度ありました。二人とも共通していることは、連日のダイビングで疲れがたまっており、毎日遅くまで酒盛りをしていたのです。そんなときに深いダイビングを反復したため、いつもならばその水深で起きたことがない窒素酔いになってしまったのです。ようするに、窒素酔いを予防するためには、前日のお酒は控えめにし、十分な睡眠をとり、風邪なども含めて体調に気をつけることです。そして、いくら無減圧時間内だとしても深い潜水は避け、連日のダイビングでは窒素がたまり過ぎぬよう、中休みの日をとるくらいの気持ちが必要でしょう。
 窒素酔いは、起こしやすい人と、平気な人と個人差が大きいのですが、ふだん起こしにくい人でも体調によっては起きてしまうので、自分を過信しないことです。自分の初期の窒素酔い症状に気がつくといいですね。例えば、エアーが甘く感じる、フィンがペラペラに感じる、光や色が原色に見える、気持ち良いなどです。そして、窒素酔いを起こしてしまったら、自分で自覚ができているうちは、ゆっくりと15〜20m以浅に上がることです。浅いところに行けば、瞬時に治ります。そして、自分がコントロールできないような状況では、バディーや引率のインストラクターに助けてもらうしかないのです。バディーシステムを厳守することの必要性はここにもあります。
最後に、眠気を起こす可能性のある薬はハイリスクです。高圧下では作用が増強されるものがあります。その結果、水深25m位でも窒素酔いを起こす可能性があります。例えば、抗アレルギー剤、酔い止め薬、市販の風邪薬、抗ヒスタミン剤、ホルモン剤、精神安定剤や睡眠導入剤などです。地上で飲んでみて、眠気が起きたらやめてください。しかし、これらの中にも、高圧下で問題が起きないものもありますので、潜水に詳しい医師に相談しましょう。

Q:楽しくダイビングをするためのマインドコントロール

A:スキューバダイビングを趣味としている人の中に、医者や看護婦さんが多いと思いませんか?それは、医療従事者はストレスがとてもたまりやすい職業だからでしょう。大学病院時代に1度、耳鼻科の医者や看護婦だけでダイビングに行ったとき、20人近くになり、自分の身の回りにこんなにダイバーがいたとは知らずに驚いたものです。ストレス発散にダイビングは最適です。広い大空と青い海、自然の中に出掛けるだけでもストレスは発散できるし、オゾンをたくさん吸って健康体になれます。適度な運動も体に良いことです。
 すなわち、ダイビングは楽しくて健康に良いものでなくてはなりません。ダイビングに対して不安や悩みがあっては逆にダイビングがストレスになってしまいます。あなたの心配事をすべてなくし、悩みを解決し、万全のコンディションで望むことが全てです。 
 次に、1回のダイビングごとに目標をもつことも良いでしょう。例えば、そのときに見られる決めた魚を探すとか、沈船ならいつ頃の船なのかを判明させるとかの、ファン的なことでも良いし、一度も水底に触れないように中性浮力に心掛けてみるとか、透明度が良ければ水深をゲージを見ずに当てるなどのスキル的なことでも良いのです。そうすることにより、つまらない心配を忘れ、ダイビングに没頭できると思います。
 また、自分自身に自信をもつことも大切です。これには、いわゆる「自立したダイバー」という要因も関係します。何でも自信がないから人まかせ、では、自信などつくはずもありません。スキルの自信をつけるのに、プ−ルでの練習や、ランクアップも良いでしょう。
 そしてイメージトレーニングも試してみて下さい。一緒に潜ったインストラクターや上級者に、自分のダイビングの良いところ、悪いところを聴いてみて、良いところに自信をつけ、悪いところは、今度はこうすれば良いのだとイメージし、次回は必ずできると言い聞かせてみてください。自分が理想的な姿でダイビングをしている様子をいつもイメージするトレーニングは、驚くほどその人を上達させるものですよ。

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