Diving World 2002/01
海外旅行に行く時の便利術

1、海外旅行に行く時、持っていくと何かと便利な薬を4〜5、教えてください。

  怪我や病気に対応できるもの。

  普通ではあまり考えつかないようなものがいいですが、

  通常の薬局においてあるものがいいです。

  どんな時に使うかも教えていただきたいです。

海外旅行には各種常備薬を持ってゆくと思いますが、市販薬は潜水時の使用禁止成分が含まれているものがあり、潜水に詳しい医師から処方してもらうか、ダイビング雑誌などの情報を見て準備したいもの。その他でお勧めなのがオキシドール。連日潜ると耳がかゆくなる事ってありません?これは海中のばい菌による軽い外耳炎。この予防には、ダイビング後に耳を上にして横になり、オキシドールを5滴ほど耳の穴に入れ10分ほど待つ。そうするとこれを予防できるのです。綿棒はかえって外耳炎の元ですから厳禁。また、多くの海洋生物毒に効果があるお酢を持ってゆくと便利。棘を抜き、流水で洗い、熱めのお湯に30分ほど浸けてからお酢をかける、またはティッシュに浸して患部に張り、サランラップで巻くと良いですね。

2、緊急時の対応について。

  それぞれのケースが海外で起こった場合、まず何をすればよいか、気をつければ良いかをアドバイスください。各300w程度

・骨折、捻挫等のケガ。緊急処置、病院にいくべきかなど。

捻挫をした場合、腫れや変形がなく、普通に動かせ、痛みが強くなければシップや氷で冷やして様子を見ることができます。そうでない場合は脱臼や骨折を伴っている場合があり、病院にかかる方が無難。骨折や脱臼がある場合には、もっと重症な他のケガを伴っていないかの注意が必要です。また、即座に救急隊が到着できない場合には、添え木固定をします。たとえ変形があっても、そのままの形で動かないように固定することが重要。動かすと神経や血管を損傷する恐れが。出血を伴うときにはガーゼを当てて上から包帯を巻き、止まらないときにはさらにその上からガーゼを当てて包帯を巻くのを繰り返します。血流を止めるような「縛る」方法は勧められません。

・ひどい熱、下痢など。伝染病かもしれない!

下痢がひどい、高熱が下がらない!という場合には、すぐに病院へ。実はダイバーが旅行する地域には食中毒、伝染病が案外多くあるものです。氷や水、海産物、生野菜やカットフルーツなど食品から感染する赤痢、コレラ、腸チフス、A型肝炎など、土壌からのツツガムシ、破傷風、蚊が媒介するマラリア、デング熱、黄熱、人から移るB型肝炎などがあげられます。万一ひどい下痢の場合、脱水症で命に関わることも。十分な水分補給が必要です。水では効果がなく、スポーツドリンク、または薬局でORS(Oral Rehydration Solution)を入手してください。何もない時は、代用経口補液として小さじすり切り食塩1杯,砂糖8杯を1Lの水で溶かして使いましょう。

 

 

  ・伝染病を予防するには?

 

都市ではない地域に旅行される場合には、AおよびB型肝炎、破傷風の予防注射は受けておくべきです。この3つだけでもかなり安心ですが、全部で3ヶ月ほどかかるのでご注意を。蚊が媒介するものに対しては、蚊取り線香、虫除けグッズなどを万全に。でも地域により効かない事もあるので、そのときには長袖長ズボンが一番です。マラリア多発地帯では、日本では入手できない予防内服薬が、現地のスーパーなどで簡単に入手できます。現地に着いてすぐに刺されても、卵の孵化には約1週間かかるので、着いてすぐに飲み始めれば十分効果が得られます。いずれにせよ、かかったときのことを考えて海外旅行傷害保険に加入した方が良いでしょう。海外の医療費は高額ですよ!

・ダイビング後の飛行機搭乗制限。最新情報

従来までは、連日にわたる、または1日でも複数のダイビングをしたら、飛行機搭乗までには24時間の水面休息時間をあけることが減圧症予防の手順とされてきました。しかし、最近のDANの指導では、12時間以上なるべく長くあければよいという事になりました。もちろん、単一潜水の場合には12時間の海面休息時間が必要という部分に変更はありません。ですが、24時間以上経ってから飛行機搭乗しても減圧症になった症例があるので、なるべく長くあけた方が安全。時々、低い高度の飛行機であれば搭乗当日に潜ってもよいような事を聞きますが、安全高度はたった500mです。客室内の圧力調整がいくらされていても推奨できません。

・無理なダイビングをして潜水病の恐れ。どうすれば!

海外で減圧症などの救急医療が必要になった場合には、現地のダイビングサービスが必ず用意している緊急アシストプランを活用することになります。再圧施設、そこまでの搬送方法は、到着したらサービスで確認する習慣を付けましょう。例えばアメリカ国内でしたら電話番号911で地元の病院、消防、警察につながります。再圧治療の連絡先は、世界各国のDAN(ダイバーズ・アラート・ネットワーク)、DES(ダイビング緊急サービス)などのダイバー救援サービス機関があり、それぞれの再圧チャンバーの手配をしてくれます。再圧治療はどこでもかなり高額。保険に入る事をお勧めします。DAN JAPAN会員になれば、自動的に保険加入できますよ。

・水中でのパニック対応、心かまえ

海外でのダイビングになれていないダイバーは、ガイドなしバディー潜水、透明度、流れ、ボートダイビングのスタイルなどの違いにより、不安があったり慌てることがあるかと思います。これが海外でのパニックの誘因であることが多いようです。現地入りしたら、潜水前にダイビングについてブリーフィングを受けると思いますが、もしも英語で、少しでも理解できない部分があるときには、何度でも聞き直すべきです。日本人は分かっていないのにうなずく人が多いと、よく現地ガイドがいっていますよ。これら事前の準備ができていても、予測不能な事態に直面した場合にはパニックに陥ることはあります。まず止まって、呼吸を整え、よく考え、そして行動してください。

・緊急事態発生。連絡すべきはどこ?

まずは現地警察や救急隊に連絡する事です。その上で入院の治療が必要となれば、身内以外に、自分が利用した旅行会社、加入していれば保険会社にも連絡を入れます。この他、クレジット会社が帰国便予約など色々手助けしてくれる場合もあります。チャーター便が必要な重病では、日本もしくは現地飛行機会社でチャーター便を取らなくてはなりません。この時、重症度によっては日本から医師や看護婦を雇って呼び寄せるか、現地の医療スタッフを雇う事を飛行機会社に要求されることも。土地によって高額な支払いではクレジットカードが使えず、現金か傷害保険加入証しか通らないところもある上、桁違いの出費になるので、保険加入はやはり必要でしょう。

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