Diving World 2000/3
危険な海洋生物


1. 危険な海洋生物にはどのようなものがあるのですか。
また、どのように危険でしょうか。

 
危険な海洋生物には、サメやモンガラ、ダツのように毒が無くて刺される、噛まれるといったものと、クラゲやイモガイ、ガヤなどのように毒にやられる
ものとに大別されます。前者は一般的なけがの処置が必要になり、化膿などに気をつければ問題ありませんが、後者は毒の中和や不活化、さらには毒に対するアレルギー反応すなわちショックの注意が必要になり、その場での応急処置が大切になります。猛毒であるカツオノエボシ、アンボイナガイ、ヒョウモンダコなどは神経毒で、呼吸筋が麻痺するために死亡することがありますが、毒は一時的なものですので、病院にかかるまでの間人工呼吸を続ければ助かります。その他の毒は致命的な強さのものはありませんが、一度やられるとアレルギーになる場合があり、2回目からはショックに陥ることがあります。ショックでは血圧低下や心停止を来すことがあるので、場合によっては心肺蘇生術が必要になります。猛毒よりもショックの方がよほど多くて危険です。イソギンチャクやサンゴの様な弱い毒ですら原因になり得ます。海洋生物毒のアレルギーと判明した人は、常に長袖を着用する、何も触らないなどの注意は人一倍した方がよいでしょう。
 

2.危険な海洋生物に対しての予防、治療方法は?

危険といわれる生物も、実は人間に非があるのが普通です。有害といわれる生物の危険性、生息状況、習性を熟知していれば、私たちには全く無害な海洋生物にすぎません。例えば巣を作ってテリトリーを守るゴマモンガラを見かけたらよけて泳ぐ、ナイトダイビングでは、光を見るとダツは突進してくる習性があるので水面ではライトを下にしか向けない、中性浮力を保ち、万一流れなどで何かををつかむ必要性があるときにはガヤやオコゼなどに気を付ける、イソギンチャクや貝など全ての生物を触らない、などといった知識があれば危険は回避できます。治療についてですが、外傷だけでしたらその処置ということになりますが、毒性のものは特別な処置が必要です。まずできるだけ棘や刺胞をそっと取り除きます。それからこすったりせずに流水で良く洗います。さらに海洋生物の毒はほとんどがタンパク毒ですから熱で変性し不活化できますので、やけどをしない我慢できる程度のお湯(40〜60度)に60〜90分浸けます。食酢をたっぷりかけて中和する事も大切です。これらの処置の後、病院にかかりましょう。いずれにせよ、危険と言われる生物たちが何の理由もなく攻撃してくることはないということを忘れずに。

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