Diving World 2000/2
パニックの原因、恐さ

1、 パニックの原因、恐さ

 パニックは予測不能に起きるもので、その状態から脱するために、はた目からはかえって不合理な、危険な行動を起こしてしまう精神的な恐慌状態と表現されます。水面でパニックに陥って溺れているダイバーは、ウエイトを捨てず、BCDにエアーも入れず、レギュレーターやシュノーケルをくわえていません。水中ですと、レギュレーターをはずして急浮上してしまうことが多く、この結果空気塞栓症や減圧症に陥ったり、水を飲んでおぼれるなどして死亡することがあります。ある統計によるとレジャーダイバーの死因の40〜80%がパニックであるとされています。原因としては性格、不安、体調不良、疲労、低体温症、体に合わない器材、器材のトラブル、水中拘束、エアー切れ、無茶な潜水、流れ、ナイト、ケーブダイビングや悪い透明度などのほか、本当に些細な事もかなりあります。例えばマスク内にわずかな水が入っていて、これが鼻の中に入ってパニックに陥った人、水面移動中にシュノーケルに波がかぶり海水が入ってむせた人、ゲージがサンゴに引っかかったのに気づかず前に進めなくて慌てた人、マウスピースが口に合わない、フィンが堅くて疲労した、ウエットスーツがきついなど限りがありません。


2、 パニックの予防

 
もともと性格的にパニックを起こしやすい人もいますが、ほとんどは原因を除去すれば予防ができます。体調不良は精神的な不安定を生みますので体調管理を万全に。そして慣れないダイビングスタイル、流れのあるところやケーブ、ナイトダイビングなどをするときに、経験不足でしたら現地ガイドやインストラクターの引率をお願いすることです。知ったかぶりやカッコを付けて無理をする人は最も危険です。また、いろいろな予備知識を持っていると、初めて経験するような場面でも、落ち着いて対処できるようになるので、上級者の経験談を普段から良く聞いたり、その土地の情報をあらかじめ入手しておくことが推奨されます。さらに各種スペシャリティーを受講したり、経験本数を積むことも重要です。また、エントリー前の器材の点検、定期的な器材のオーバーホールは器材面からのトラブルを予防でき、パニックを回避できます。もちろんエアー切れは自分のミスから起きるものですから予防も簡単です。空タンクをセットしてエントリーしたり、潜水中残圧の確認を怠ったりするからです。そして、とにかく何かあったらまず落ち着いて、止まって考え、それから行動をすることです。たったそれだけで自分の命が守れます。

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